退職理由を変えようとハローワークに行ったものの、会社都合退職として認められなかった場合『不服申し立て』という制度を利用できます。
不服申し立てとは、ハローワークの決断が本当に正しいのかどうかを、雇用保険審査官に判断してもらう制度です。要はお偉いさんに直訴するようなイメージですかね。
異議申し立てとも言ったりしますが、便宜上、ここでは『不服申し立て』に言葉を統一して解説させてください。
私はハローワークから「会社都合退職にできない」といわれたため、不服申し立てを利用しました。
その結果、退職理由を自己都合から会社都合に変えてもらえた経験があります。
そこで確実に不服申し立てを成功させるために、自分なりに試して良かったことがセカンドオピニオンを求めることです。
・自治体の労働相談窓口
・都道府県の労働局の雇用保険課
これらを上から順に相談していって、最終的に不服申し立てできれば確実です。
では具体的にどの窓口に相談したのか。その相談内容も含めて、不服申し立てが成功した経緯を解説します。
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実際に利用した相談窓口は2つ
私が利用したのは、以下の窓口です。
・労働情報相談センター
・東京労働局の雇用保険課
労働情報相談センターは東京労働局が管轄する、労働全般の相談を無料で行っている組織です。
お住みの自治体に似たような組織があれば、そちらを利用するとよいでしょう。
なければ労働基準監督署でも無料相談できるので「どこに相談すればよいか」を聞くのもいいと思います。
各都道府県の労働局は、ハローワークを管轄する組織です。
いくらハローワーク側がダメだ、といっても労働局の雇用保険課の判断がOKならば、不服申し立てが通ることが見込めます。
これらを踏まえて、以下の順に利用するのがおすすめです。
1. 自治体の労働相談窓口で、ハローワークの判断が間違っているか法的解釈を聞く
2. 間違っていたなら、どういう資料を集めて説明したら、より確実に不服申し立てが通るか相談する
3. 労働相談窓口で得た情報を整理する
4. 都道府県労働局の雇用保険課に、自分が不服申し立てに通るかどうかを聞く
都道府県労働局の雇用保険課は、立地の関係から相談しにくいかもしれません。
そのときは電話でも大丈夫です。私は電話で聞きました。
電話を使う場合は資料を見せながらの説明ができないので、3の情報整理をしっかり行い、雇用保険課の方に誤解のないよう伝えられると、より正確な回答を得られるはずです。
2つの相談窓口を利用した一連の流れ
ざっくり私の状況を説明すると、離職理由を会社都合にできる条件に「退職前の6ヶ月間に連続する3ヶ月の残業時間が45時間以上であること」というのがあります。
自分は5ヶ月残業時間が45時間を超えていたので、該当していると思いました。
でもハローワークでは該当しないと判断されたため、離職理由が自己都合のまま失業保険の給付が行われた。という状況です。
詳しく知りたい方はこちらの記事で、私が会社都合退職をハローワークから差し戻された経緯をまとめています。
私を突き動かした素朴な疑問
なぜ45時間以上残業してもダメだったのか。
原因は残業時間の捉え方の違いにありました。
私は固定時間制で残業時間を計算していました。要は8×勤務日数を超えた時間が残業、というシンプルな捉え方です。
一方でハローワークは、1年単位の変形労働時間制で残業時間を計算していました。簡単にいうと、月の労働時間が173時間を超えたぶんが残業時間になる、という労働時間の考え方です。
なので28日しかない2月など、そもそもの出勤日数が少ない月は残業時間が低くでてしまうとのこと。
実際の私の2月の給与明細には、残業時間は60と書かれていました。でも1年単位の変形労働時間制で計算しなおすと、39時間しか残業していないことになっていたわけです。
でもちょっと待ってください。
そもそも残業時間の計算方法は、退職前の会社の労働時間制度を参考にするべきではないのでしょうか・・・?
私は8×出勤日数の、いわゆる固定時間制で働いていました。これは就労規則にも書いてあったことです。
1年単位の変形労働時間制で働いていたわけでもないのに、固定時間制での残業時間の計算が間違ってるの? 本当に??? だって60時間、いや本当はサービスで合計90時間残業したもん! 納得できん!
ハローワークの判断に納得がいかなかった私は、何がいけなかったのかを確かめることにしました。
調べてみると労働関連の相談を無料で受け付けている、労働相談情報センターなるものがあるらしい。
なのでそこへ行って「離職理由を会社都合に変更できる条件」が本当はなんなのかを聞きに行ってみました。
労働情報相談センターでは審査を通すためのアドバイスを受けられた
さっそく審査を差し戻された流れを説明したところ、相談員の方も「なんか変ですね」とのこと。
法的な立場から、本当に離職理由が会社都合にならないのかを確認していただきました。
するとハローワークの差し戻しの判断自体が間違っているのではないか、という可能性がわかりました。
つまり私の勤怠実績だと、離職理由を会社都合に変えられるかもしれないのです。
泣き寝入りせずに相談してよかった・・・。
とはいってもまだ可能性でしかないので、確実に手続きを通すためにサービス残業をした事実も利用しよう、と複数の代替案を作ってもらえました。
こればっかりは職員さんのヒアリング力の賜物ですね・・・本当に感謝しかないです。
今後やるべき行動とその注意点も合わせて、以下の3つを教わりました。
・ハローワークを管轄する東京労働局に、ハローワークの判断が正しいかどうかの問い合わせをすること
→ハローワークに審査を差し戻された経緯、労働相談情報センターで教わった法律の解釈も合わせて説明する
・元の会社にサービス残業をさせた実績を認めてもらえないか確認すること
→そのときは未払い賃金を請求をしないことを第一に伝えてから、生活のために認めてもらえないかの打診をする
・もし会社が実績を認めないようなら、ハローワークから元の会社へ勤怠記録の提出をするよう掛け合ってもらうようにすること
このように「何をすればいいか?」にあわせて「どう立ち回れば狙った結果をもらえるか?」まで教えてくださりました。
私自身、そういう駆け引きはあまり得意じゃないから助かりましたね・・・。
この面談が終わったあとも、わかったことがあれば随時連絡してくださったので、とってもありがたかったです。
審査を通すためには何をすべきか? みたいなアドバイスを受けられるのは、ハローワークと直接的な関わりのない組織で相談をするメリットといえますね。
都道府県労働局では最終的な判断をあおげる
労働情報相談センターで受けた話のとおりに、ハローワークの雇用保険に関する窓口を管轄する組織、東京労働局の雇用保険課に問い合わせてみました。
労働情報相談センターでの入れ知恵アドバイスもあって、すんなり説明できて助かりました。
ハローワークの上の組織が「不服申し立てしてみれば」というのなら、きっと大丈夫なのでしょう!
そのあとはハローワークへ向かって、不服申し立てをするための書類を書いて提出しました。5分もかからなかったです。
と、ハローワークに不服申し立てをしたところで3ヶ月の待期期間を迎えてしまいました。
もし結果が会社都合に変更できたしても、3ヶ月後の面談のときでないと手続きは進められないそうです・・・。
というところで、私はまだ結果待ちです。
無事、会社都合退職として処理されました!
不服申し立てをしたとき、窓口の担当の方から「まぁこれは権利ですから、あなたのお好きになさってください。たぶん申請は通らないと思いますけど。」と言われましたが、その圧に負けないで良かった・・・本当に。
ついでに待期期間を待たずに失業保険を受け取れるようリスケもしてもらえて、すぐに失業保険をもらえちゃいましたね。
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会社都合になれるかはハローワークの担当職員の考え方次第?
以上のように、ハローワークでは窓口の担当職員の考え方によって、会社都合退職にするかどうかの判断も異なることがわかります。
実際に会社都合退職にしてもらえたわけですから、ほかの担当者やハローワークだったらすんなり事は運んだんだろうな、と思いました。
本当は会社都合退職にできたのに、ただの勘違いで審査すら通してもらえないなんて、本当に悔やんでも悔やみきれません。
セカンドオピニオンのように、第3者の専門家からの意見を聞く重要性を実感しましたね。
言いくるめられても1人で抱え込まずに、いろいろな人や機関を頼って頑張ってみてください。
いますぐ、ではなくてもざっと求人をながめておくと、次へのステップを早く進められます。
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