セクマイは先天的・後天的?Xジェンダーで無性の私を例に話す

セクマイは先天的・後天的?Xジェンダーで無性を自認する私の例を話す Xジェンダー




 

Xジェンダーに限らず、セクシュアルマイノリティは先天的・後天的のどちらなのでしょうか。

 

先天的派の主張は、遺伝的、つまり生まれたときにはセクシュアルマイノリティか否か決まるという主張。

後天的派の主張は、家庭環境、ハラスメント、恋愛でのトラウマなどが影響しあって「セクシュアルマイノリティになった」という主張になりますかね。

 

ですが先天的か後天的かは、簡単にはっきりさせられないと思います。

実際私はXジェンダーの無性を自認しているのですが、先天的だったか後天的だったかなんて正直わからないからです。

・・・といってしまっては元も子もないので、ちょっとした思考実験をしてみます。

あえて当事者である自分が先天的・後天的のどっちに当てはまるか考えてみました。

 

結論としては先天的な要素・後天的な要素が両者入り混じった結果、自分はセクシュアルマイノリティだと実感したと思っています。

先天的な要素と後天的な要素は以下のとおり。

先天的な要素・・・性的指向(誰が好きか)

後天的な要素・・・性自認(自分がどの性別だと考えるか)

 

ではなぜ性的指向が先天的なものだと感じ、性自認が後天的なものだと感じたかご説明します。

 

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気付いたら両性を好きだったため性的指向は先天的

 

性的指向は先天的だったように感じます。

理由は物心ついたときには男性も女性も好きになれる自分がいたからです。

小学3年生ぐらいだったと思います。

 

その他の理由に恋愛は男女でするもの、という考えを知る前に両方の性別の子に恋心を抱いていたのもあるかもしれません。

当時は男性に恋焦がれることに対して疑問もなかったと思います。

なので「先天的にセクシュアルマイノリティだったか?」と聞かれたらそうかもしれない、って感じですね。

あえていってみると、という条件付けのなかでは性的指向が先天的に近いのかなぁと思いました。

 

正直、先天的・後天的のどちらともいえてしまうため、不毛な論争だと個人的には感じてしまいます。

もし覚えてないだけで、男性を好きになるなんらかのきっかけがあったとしたら、それは後天的ともいえるからです。

 

人と関わるなかで自分の性別がわからなくなったため性自認は後天的

 

性自認は後天的だったと思います。

なぜならいまは性別を無性だと自認していますが、昔から無性だと自認していたわけではないからです。

 

きっかけは人とのコミュニケーションのなかで、自分が男であることに違和感を覚えたことにあります。

小学校のころから女性には『男のくせに』、男性からは『男らしくない』と言われ続けてきました。

当時の私の体格は学年1で小さく、性別による能力の差が少ない小学生のころはなにかと性別でからかわれてましたね。

小学6年生で120cmしかなかったので、力仕事をするにも限界があったことは想像に難くないと思います。

 

「男のくせになんでこんなこともできないの」

いや20cmも身長差があるのに、そんなこといわれたって困る。

だって無理なものはさすがにあるから。

 

「女の子みたい」

・・・あんまり嬉しくない。けれどいちいち反応して嫌がるのも面倒になってしまった。

 

「女の子だったらよかったのに」

じゃあ男の自分は? 女の子じゃない男の自分に価値はないのか?

どうやら自分は男として欠陥を抱えていて、女の代替物ないしは下位互換でしかないらしい。

 

・・・と小学生ながらに気付かされながら生きてきたのです。

こんなことが小学生から現在に至るまでたくさんありました。

もちろん男として見られるための努力もしてみましたが、はたから見れば滑稽でしかなかったみたいで、心がぼっきり折れてしまいました。

 

「男なのに全然だめだね」「女のほうが使える」・・・

向けられた悪意を力に変えられるほど、もう心に余裕はありませんでした。

次第に自分が男であることに違和感を覚えはじめていきます。

 

けれど別に女になりたいわけではないし、自分の身体はどうしようもないほどに男なのです。

そのうち自分のことを「男になりきれず女でもない中途半端な存在」、そう思うようになっていきました。

そんな自分の性別の捉え方に一番しっくりきたものが、Xジェンダーの無性だったのです。

よって性自認は後天的なものが大きかったのでは、というふうに考えています。

 

 

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まとめ:セクシュアルマイノリティは先天的か、後天的かは一概にいえない

 

まとめ

・セクシュアルマイノリティは先天的とも後天的ともいえない

・個人としては両者が絡み合っているという実感

・私はXジェンダーに後天的になった、とはいえるかも

 

結局なにが先天的で、なにが後天的なのかもはっきりさせられないと思います。

あくまでも自分のケースでしかないのですが、あなたも今までの話を振り返ってそう感じたのではないでしょうか。

 

たとえば私の場合は両性が好きになったことは後天的だともいえちゃうんです。

私は後天的にXジェンダーの無性を自認したと書きました。

でも小学3年生以前の時点で性自認が無性に近い状態だとしたら。

無性の異性、つまり男性と女性の両性に興味が湧くのは先天的ではなく後天的では? ということもできるんですね。

まさに鶏が先か卵が先か状態です。

 

このように先天的か後天的かもごちゃまぜになっている方は、セクシュアルマイノリティのなかでもたくさんいるかもしれません。

なので先天的か後天的かというのは、たいした話ではないのでは? と思ってしまいます。

(もちろん染色体の異常などで遺伝的にセクシュアルマイノリティになられた方は除きますが)

 

もし興味本位で身の回りのセクシュアルマイノリティの方に先天的か後天的かを聞きたいのであれば、本人の意思を尊重しましょう。

本人でも受け入れきれていない過去が原因になっているかもしれないからです。

トラウマを掘り返してしまう、と思うと少し怖いですよね。

セクシュアルマイノリティという話題自体が踏み込みづらいところだとは思いますが、少しでも良好な関係が築けるように応援しています!

 

 

 

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