ブラック企業での経験は社会で活きるものなのでしょうか。
正直ブラック企業だから経験できることはないと思っています。
ほかの会社との違いは苦痛の凝縮ぐあい。
・不健全な人間関係
・理不尽な仕事量
・クライアントへの不誠実な対応
上記の3つはきっとどの企業でも、探そうと思えば出てくるのではないでしょうか。
しかしことブラック企業においては、これらの苦痛の濃さや接触頻度が高いのです。
本当にそれだけの差でしかないと考えています。
なのでブラック企業で得られるものなんてタカが知れていますし、むしろ心身が疲弊しまくるせいで就職するデメリットしかありません。
実際に私は体調を崩して通院するハメになり、治療にお金もかなり使ってしまいました。
今回はブラック企業、厳密には某ブラック企業IT部門で得られたものを4つご紹介します。
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自分の違和感は意外と信じられること
仕事中の違和感は割と的中します。
虫の知らせの一種みたいな感じです。
仕事をしているときに(なんかこれやばいんじゃない・・・?)と思ったら、だいたい当たっています。
なので自分の身を守るために、違和感を潰してから業務をするようになりました。
というのも上司の指示を守ったがために、矢面に立たされることが多々あったからです。
特に上司Aは見下している人間なら構わず、責任転嫁をしてくる人でした。
実際の業務で上司Aは直属の上司であったため、自分の作業の確認をする機会がたくさんあったのです。
当然仕事をするうえで違和感をはじめとした不安なことは確認するじゃないですか。
そのときの上司Aの常套句は「ちょっと難しく考えてない? 指示したとおりにやれば大丈夫」でした。
ですが決まって私の行っていた作業に問題が発生し、しかも違和感を突き詰めれば回避できた問題ばかり。
こんな状況でも上司Aは「自分はちゃんと指示はした」との1点張り。
プロジェクトの進捗が悪い理由は私だ、と事情を知らない他の上司に吹聴していたのです。
このように「違和感があるように見えるのは新人だからなのかな」という考え方でいると、どんどん追い込まれていくと学びました。
自分を守るのは自分しかいないと思い知らされましたね。
違和感を違和感のままにして付け入る隙を与えた自分も悪かったし、ほかの人に相談しなかったのも良くなかったです。
なるべく違和感は言語化し、できるなら複数の人に相談し、解決してから業務にとりかかるようになりました。
・違和感を覚えたら言語化し、納得するまで聞いて自分でも確かめてみる
→上司が信頼できない場合は、業務ができて信頼できる人からの意見も聞いておく
give&giveの関係を心掛けるということ
よく”give&takeの関係”という言葉は耳にしますよね。
正直、この考え方では元いた会社ではやっていくことができませんでした。
なぜなら格好のカモにされてしまうからです。
そもそもgive&takeは、giveする相手がtakeしてくれる人間であることが前提の関係です。
ですが相手にtakeする意思がなかったらどうでしょうか。
察しの通り搾取の対象にされます。
元々いた会社では”give”をすると「こいつといると楽ができる」といって利用されてしまいました。
余裕のない職場では自分のことで精一杯の人がたくさんいるので、仕方がないのかもしれませんが・・・
特に新人のうちは仕事ができなくて当然なので、仕事を教えてもらうためにも人間関係に気を配ることは多くなりがちですよね。
ですがgiveしようがしまいが、仕事を教えてくれない人はいっさい仕事を教えてくれません。
直属の上司がそういう人で、うまく仕事をやっていくためにもいろいろとgiveをしてみたのですが・・・
しょうもない人はいくら態度を変えようともしょうもないのです。
期待するだけ時間の無駄だと知りました。
やるならどんな結果でも自分が納得できるように、give&giveの精神を持つようになりましたね。
・人に期待するためのgiveは無駄でしかない
→信頼したい人を信頼するくらいがちょうどいい
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上司に期待をもってはいけないということ
上司個人、よりは上司という役割に期待してはいけない感覚ですね。
「普通上司なら~~してくれるんだろうな」という期待は、ただの心の甘えでしかないと思い知りました。
たとえば上司が作った仕様書どおりの成果物を作ったにもかかわらず、お客様の望んでいたものと違う成果物ができてしまったとします。
ここでの争点は不正確な仕様書にありますよね。
いくら仕様書どおりに作っても、仕様書が間違っていたならダメじゃないですか。
なのでお客様の要望を汲み取れず仕様書を作った上司に責任はあります。(自責・他責の考えは置いておいて)
ですが上司は「そもそもお客様から要望を汲み取るのは難しいんだよね」「あのお客さんクセがあるから」とか、謎の自己弁護を始めます。
だいたい仕様書自体が間違っていて手戻りするのはほぼ毎回のことだったので、働き方そのものを改善してほしいところ。
言いたいことは腐るほどありますが、思ったことを口にしてしまうと上司にすねられてしまって、今度こそ仕事にならなくなってしまうのでグッとこらえます。
それでもひとこと、謝ってほしいわけじゃないけれど「仕事をやり直させちゃってごめん」くらいあったら円滑に業務も進むのかなと思うのですが、なかなか難しいみたいです。
上司という人を管理する立場にある人間ならば、部下のケアもしてほしかったな、なんて思ってしまうのです。
むしろなぜ上司のケアを部下がしているのでしょうね。
ブラック企業だと普通の人間がどんどん入れ替わって、精神的に幼稚な人が幅を利かせられる環境に近付きます。
そうした人間が勤続年数のおかげで役職についているケースは少なくありません。
上司だからといって、人間性が高く仕事もできる保証はない。
良くも悪くも先入観を捨てることができました。
・役職はしょせん肩書でしかない
→役職があることは信頼する理由にはならない
自責は身を滅ぼすということ
適度に人のせいにしないと心がもちません。
社会人は自責の念をもつことが大事だと、いろいろなビジネス書に書かれていますよね。
なので社会で学んだこととしては不適切では? と思うかもしれません。
ですが自責という考え方自体、すべての人が自責の念を持っていないと成り立たないと私は考えています。
1人でも他責の考えを持つ人がいると、どうしても自責じゃどうにもならない場面が出てきます。
特に上司が他責をするケースが最悪です。
他責をする上司A、自責をする部下Bを例にしてみます。
上司A「この成果物はお客様の要件を満たしてない! 作ったのは部下Bだからあいつに責任がある!(実際は上司Aが作った仕様書にミスがあった)」
部下B「要件と違う成果物を作っちゃった・・・。業務知識とお客様がどういったシステムを好んでいるか知らなかったからこれからは知る努力を・・・」
なんていっていたら上司が責任転嫁し続ける限りは、同じミスを上司は繰り返し続けるし、この上司に関わる人間は理不尽を押し付け続けられます。
もし部下Bが謙虚に業務知識とお客様の知識を深めていけたら、そりゃ上司もすぐ追い抜いて出世できるだろうから自責は重要です。
ですが上司を追い抜くまで耐えられるかが問題。
・理不尽に怒られ続ける
・職場の方々から誤解を受け続ける
・仕事が回されなくなる
これらが続くなかで「自分が悪い」なんて考えをしていたら間違いなくメンタルをやられますね。
自分が全部悪いんだ、という考えが日常化してしまうと自己肯定できなくなっていきます。
常に劣等感にさいなまれるようになって、うつの諸症状が出てきたりすることも。
なのですべきところは自責で、理不尽だなと思ったら適度に他責にするぐらいがちょうどいいと思うようになりました。
・自責をしすぎると心身に異常をきたす
→自責の考えなんて綺麗ごとでしかない
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まとめ:決してブラック企業だから学べたことだとは思えない
1. 自分の直観は意外と信じられる
→違和感を覚えたら言語化し、なるべく複数人に納得するまで聞いて自分でも確かめよう
2. give&giveの関係を心がける
→人に期待するgiveは無駄。信頼したい人を信頼しよう
3. 上司に期待をもってはいけない
→役職はしょせん肩書。信頼する理由にはならない
4. 自責は身を滅ぼす
→自責の考えなんて綺麗ごと。時には他責をして心の安寧を保とう
本当にいい学びでした。
これらを学ぶのと一緒に過労やパワハラによるストレスもいただき、うつ病にもなれました。
たしかにブラック企業だと自分のキャパを測るのに役立ちます。
でもどの企業でも踏ん張りときは必ずあるのではないでしょうか。
それにこの4つの学びも大きくみれば人間関係の学びです。
別にどの会社でも起こりうることだろうし、これまでの人生で経験したこともあるだろうし。特別なことはありません。
なのでなおさらブラック企業で得られる経験はたいしたことがないと思っています。
ブラック企業なんて所詮そんなもの。むしろその程度の学びしか得られないのです。
【追記】
勤めていたブラック企業を辞められました。