生まれ持った感性がないと短歌って作ったり読んだりできない、と思ってはいませんか?
そう思い込んでしまうのはもったいない!
なぜなら感性は身につけられるからです。
正確には『第一線で短歌を親しむ人の感性を学んで取り込んでしまえば』作ることも読むこともできちゃいます。
じゃあどう学べばいいか、というと短歌の入門本を読むのが良いです。
第一線の歌人の方々はありがたいことにも初心者へ向けて本を書いてくれています。
利用しない手はありませんよね。
私が読んでよかったな、と思ったのが『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』です。
短歌はどう楽しんで、どう楽しませるものかを知ることができました。
でもいまいち読む気が進まないのもわかります。
・他人のやり方で短歌を作るのは抵抗がある
・自分だけの力で作品を味わうべきだ
文学や芸術に関してなんとなく上記のような先入観をもってはいませんか?
それって実はすごくもったいないことです。
自分では想像できない読み方に出会えないわけですから。
要は「短歌への先入観は捨てて先人の知恵を借りたら、短歌の楽しい世界がもっと広がっているよ」と言いたいだけなのです。
なぜなら私こそがくだらない先入観で短歌を遠ざけていた張本人。お恥ずかしい限りです。
悩むくらいだったらもっと早く短歌の本を読めばよかったですね。
買い渋っている時間に起きた出来事や感情で短歌を作れたのに、と思ってしまいます。
いまは月1回発行される短歌雑誌を購読したり、思いつくままに短歌をつくったり。
最近では投稿した作品が雑誌に掲載されたりもして、より短歌を楽しめてます。
では『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』をおすすめする理由をご紹介していきますね。
目次
短歌の楽しみ方を知れるから、作り方も読み方もわかる
『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』は著者による既存の短歌の解釈が多く挟まっています。
その解釈がとても参考になって、短歌の味わい方、魅せ方の幅がグンと広がりましたね。
この本は以下のような構成で進みます。
1.学習テーマを挙げる(例:ことばのリズムを工夫しよう)
2.テーマを体現している有名短歌を列挙する
3.有名短歌がテーマをどう表現しているのか解説をする
有名短歌を例にして学習ポイントを押さえつつ、短歌の作り方を説明していく流れですね。
そのときに例として挙げられた短歌を、著者がどう解釈したかものっています。
いまいちピンとこない短歌でも、そういう見方・考え方・味わい方があったのか、と視野が広がります。
情景を思い浮かべると美しい歌だな、リズム感が楽しい歌だな、と短歌を面白く読むコツも掴んでいけるのです。
]読解力のなさから「・・・だからなんだろう?」で終わってしまう短歌はなくなりましたね。
気付いたときには楽に短歌を作ったり読んだりできています。
・こういうふうに表現したら面白がってもらえる短歌になるかな
・この歌は声に出したときの印象が面白いな
楽しみ方を知っているからこそ、自分で作ったり読んだりできるようになれるんです。
よくよく考えてみればあらゆることに共通していますが、楽しみ方も学習していくものですよね。
お酒だって初めはまずくても、暑い日に飲む、疲れてるときに飲む、唐揚げと合わせて飲む、みたいに美味しさを学習するところから始まったはずです。
ですが短歌は日本文学で題材も日常に近いじゃないですか。
なので楽しみ方を学習するプロセスが抜けがちだったと実感しています。
短歌を楽しめるからこそ、作れるし読めるようにもなる。
楽しめるようになれれば飽きたり挫折したりする確率も落ちますし、一石二鳥ってやつです。
▼ 短歌を新しい趣味にする ▼
『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』は隙間時間の学習にぴったり
『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』は隙間時間といった、細切れの時間での学習に向いています。
なので通勤電車、休憩時間、帰ってすぐ、寝る前の数分、と少しずつ読み進めても大丈夫です。
その理由は以下の2つです。
視覚的に読みやすいので速く読める
文章が用途ごとに3つに色分けされていて読みやすいです。
・短歌、歌作りが書かれている文章は黒色
・歌の意味が書かれている文章はこげ茶色
・破線や記号、要点が書いてある文章は朱色
このように最小限で派手すぎない色使いで、本を開いたときにどこに何が書かれているのがすぐにわかるんです。
反対に教科書や学術書みたいに黒文字ばっかりだと、パッと見でどこに何が書かれているのかわかりにくいじゃないですか。
短歌の入門書は黒文字だけの本って結構多いんですよね。
一方で『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』はページ全体の色の配置から先を予測して読めるので、自然と読むスピードも上がります。
緩急をつけて読み進められて、短い時間でも効率よく学べますね。
学習項目の区切りが短いので楽に読み進められる
1つの学習項目ごとに2~4ページの解説が入るので、細切れに勉強しやすいです。
また学習項目は1つごとに完結するように作られています。
なので知りたいところから読んでも、すっきり理解できちゃうんです。
解説が長かったり、前の章を踏まえて解説が進んだりする構成になっていると、全部理解するにはまとまった時間で一気に読む必要がありますよね。
一気読みしないと日をまたいで続きから読み直したとき、忘れてしまった部分を思い出すために前ページを読み返す・・・なんてことにもなりがち。
結局内容はいくら読んでも頭に入ってこず、本の内容そのものに苦手意識を持ってしまう経験ってあるあるじゃないでしょうか。
哲学書や論文読んでるとき、主語や前提がわからなくなって迷子になった経験はありませんか?
同じパターンで短歌に苦手意識を持ってしまうのはもったいないですよね。せっかく興味を持ったことですし。
忙しいとまとまった読書の時間を作ることも難しいですから。
ですが『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』は学習項目の区切りが短いです。
なので本のペースにこちらが合わせるのではなく、自分のペースに本が合わせてくれるんです。
適度に気を抜いて読めるし、読む時間が細切れにしかとれなくても最後まで読み切れる本だといえます。
一週間同じところしか読んでない、なんてことになりにくいのです。
実際に見てみたい方はこちらをどうぞ。
(GoogleBooksの『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』のページに飛びます)
正直なところ一番の魅力は表紙
いままで『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』の中身の解説をしてきました。
ですが正直なところ、一番好きなところは表紙です。
ここにきて表紙なの? と思うなかれ。
表紙って本を読むモチベーションになりえます。
この装丁が本当に大好きなんです。
華やかすぎず、かといって堅苦しさを押し出しすぎていないやわらかさ。
短歌の不思議さや暖かさをかもすような雰囲気がとても好みでした。
裏路地をのぞいたり秘密基地を探したりするような感じ。
日常からちょっとそれてみたときの、ふわふわしてわくわくする不思議な感覚がこの装丁を目にするたびに味わえたんです。
そんな感覚のまま短歌の世界に浸れて短歌を学ぶ、よりも楽しんだり遊んだりするような意識で読み進められました。
いつしか手に取るたびに楽しくなる本となっていたのです。いまだに本を見かけるだけでもワクワクしちゃいます。
▼ 短歌の世界を紐解く ▼
まとめ:短歌の入門書として最適
・楽しみ方がわかるから作ったり読めたりできる
・隙間時間にも楽に学習ができる
・視覚的に読みやすくて速く読めるから
・学習項目の区切りが短いから
・表紙がきれいなのでモチベーションになる
以上が実際に一冊を読み通しての、『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』を買ってよかったところです。
特にレイアウトや構成が読むハードルをぐぐっと下げてくれているので、わからないことだらけの初心者でも楽々読めちゃいます。
なので入門書にとてもいいなと感じましたね。
言葉を操って歌を詠う楽しさを、一緒に味わえたらと思います!
↓季節の植物も知っていると詠める短歌の幅が広がります。