未経験からITを目指すのは「つらくて当然」みたいな先入観をもってはいないでしょうか。
それを「未経験だから仕方がない」と自ら甘んじて苦痛を受けに行くような就活をしてはいませんか?
もちろん人よりも多く努力を積むことは重要ですが、理不尽なつらさ・厳しさを受けるのは間違っています。
しかし残念なことに、IT業界には理不尽さに耐えてくれる『都合のいい人』を食い物にするケースは少なくありません。
人が潰れたらまた新しい人をとってくればいい、と人を使い捨てる働かせ方です。
せっかく心機一転して働くならブラック企業には入りたくないですよね。
といっても、実際にIT業界で働いてみないと「どんなところがブラック企業か」はわからないことが多いです。
じゃあブラックIT企業に就職してしまわないためには、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
・自社製品の開発をやっている企業を選ぶ
・平均残業時間が20時間以下の会社を選ぶ
・業務改善をするための社内活動が活発な会社を選ぶ
どれも間違ってはいないのですが、実はどれも正解ではありません。
現に私が未経験から選んだ会社は、もれなく上記の3つに当てはまっていたからです。
元いた会社ではサビ残、残業90時間、パワハラ上司などが横行していましたね・・・
実際にIT企業で働いてみてわかったこと・後悔したことから、求人やHPでわかる範囲で、どんなことに気を付けたらいいのか? をご紹介していきます。
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自社開発でも取引先の業界に注意しよう
自社開発をしている企業を志望するなら、会社の取引先がホワイトな業界を選びましょう。
自社開発ならホワイトかといったら実はそうではありません。
なぜなら取引する業界のブラック度合いに影響されるからです。
自社開発の魅力は、仕事のペースを自分たちで決められるため長時間労働になりにくいところですよね。
でも自社開発製品はお客様に売った後、定期的なメンテナンスやお客様からの問い合わせに答える必要があるんです。
なので自社開発製品を使う業界が休みをあまりとれない業界だったりすると、それに合わせてこちらも勤務時間を調整しないといけません。
サービス業だったり、営業系の業界だったり。そういうところは長期休暇が繁忙期ですよね。
「自社のカレンダーでは土日祝が休みで年間125日休めるのに、お客様は平日2日休みだからそれに合わせて105日しか休日が取れなくなってしまった」
・・・なんてことにもなりかねません。
自社開発を売りにしている企業であれば、「どんな製品でどんな業界への商品を作っているのか」はHPに書かれているはず。
それを参考にしつつ、取引先の働き方をイメージするとブラック企業に当たる可能性を減らせますよ。
平均残業時間は基本的には当てにならない
求人票に記載されている平均残業時間は当てにならないと思っておいたほうがよいです。
もし自社のみで完結している企業であるなら、平均残業時間も虚偽申請していない限りは参考になります。
ですが客先派遣も行っている企業は注意が必要です。派遣先の残業時間がピンキリなので。
基本的に派遣先の企業は、派遣社員にお金をかけたくないので残業させないところが多いです。
身の回りにいた派遣社員の人たちには、定時あがりしかできなくてお金が貯まらないと嘆く人もいるぐらい。
ですが中には残業が常態化している職場へ派遣される人もいました。
いわゆる社内SEの補助として派遣されるケースだと残業が多いと感じました。代表的なのは金融系ですね。
このように企業内でたくさんの事業を手掛けている会社だと、
・自社業務の平均残業時間
・お客様先業務の平均残業時間
これらがごちゃまぜにされている可能性があります。
仮に自社業務の平均時間が60時間だったとしても、お客様先業務の平均時間が10時間であれば、求人票にのせる平均残業時間が60時間を下回っていても嘘にはならないですよね。
派遣業務がメインの会社だと、1つの派遣先は残業平均80時間でも、その他の派遣先が残業平均10時間だった場合、残業平均時間は20時間を割るかもしれません。
事実を使った、限りなく嘘に近い不誠実な平均残業時間を割り出せてしまうんです。
なので求人票で平均残業時間が低かったとしても、安易に飛びつかずにHPで企業全体の事業内容を確認するようにしましょう。
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業務内容以外のことをアピールしていたら危険
求人票やHPで業務内容をしっかりアピールしている企業を選びましょう。
反対に業務以外の社風ややりがいを押し出しているところは危険。
なぜかというと、社風ややりがいなんてものは『客観的』に計測できないからです。
・風通しが良い
・アットホームである
・やりがいがある
これらの言葉は会社を客観的に説明しているようで、実際はできていません。
「風通しが良くてアットホームな社風」「やりがいのある仕事」
それは社員1人1人が感じることで、主観的な感想ですよね。
それを会社が「社員全員がそう思っている」と決めつけて『客観的な自社の特長』として売るのは乱暴だと思いませんか?
往々にしてそういう会社は、「風通しが良くてアットホームな社風」で「やりがいのある仕事」ができる自社に酔っている可能性が高いです。
なので社員の意見は度外視で、社員の士気を高めるために「社員旅行を豪勢に!」「飲み会をたくさん開こう!」といった変なお金の使い方だったり、社内施策をしたりする傾向があります。
本当に「風通しが良くてアットホームな社風」なら苦じゃないのですが。
もし社員のアンケートでデータをとった結果だ、というのも正直信用なりません。
アンケートで低評価をつけた社員には、面倒な面談や研修を組まされたり、評価を下げられて査定に影響したりと、消極的にアンケートで高評価をつけている場合もあるのです。
それにもっと良く自分の会社を説明するなら、社員に誠実であることを福利厚生で証明するはずです。
ましてや風通しが良いとかやりがいとかの『価値観』で誤魔化すようなことはしませんよね。
裏をかえせば「多少のつらいことはやりがいとかの『気持ち』で乗り切ってくれ」ということでもあります。
要は扱いやすい人を集めて食い物にしたいだけなんですね。いわゆるやりがい搾取ってやつです。
未経験からITを目指そう! というときには不安が勝ってしまって職場の雰囲気に目が行くかもしれません。
特にITだと面倒見の良さなどをアピールする企業は少ないので、余計目立って気が惹かれることかと思われます。
ですが長く、少しでも健康にお金を稼ぐためにも甘い言葉を多用する会社は選ばないようにしましょう。
都合のいい事実だけをキャッチしないように気をつけよう
・自社開発をしている会社を志望するなら、取引先がホワイトな業界の会社にしよう
→GWや土日祝が繁忙期の取引先だと、こちらも休めなくなる恐れあり
・平均残業時間は基本的には当てにしない
→特に自社業務と客先派遣業務を担う会社だと、残業する人としない人の差が激しすぎる可能性あり
・業務内容や福利厚生の実績をアピールする会社を選ぼう
→社風ややりがいといった価値観をアピールする会社は、求職者を搾取しようとする傾向あり
きっとどれも冷静になれば想像のつくことではないでしょうか。
でも新しいなにかを始めようとするとき、ちょっと気も大きくなりがちですよね。
かくいう私も未経験からITの道へ進んだ人間の1人です。
せっかく夢があってITへ進むなら後悔してほしくないな、と。
なんだかんだいってITは楽しいですからね。
それだけに私と同じ過ちをしないでくれたらと思うのです。
そのためには求人を見比べないと、ブラック企業かどうかの嗅覚も育ちません。
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やっぱりおすすめはリクナビNEXTですかね。転職業界の大手なので求人数も申し分ありません。
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